今回は研究室の一日の様子を紹介しようということで、回路職人であるM1の南 亮さんの密着取材を行いました。こんな感じで研究室を過ごす日もあるのかという感じで、参考にしてください。




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大岡山エアーズロックに現れた南さん

早朝、大岡山駅の改札から颯爽と駆け抜ける南さんの姿を発見した。

Q「いつもこんな朝から仕事を?」

南「今日は測定をするからね。測定は準備が大切なので、早めに入って機器の具合を確かめないといけませんから。」

Q「大変じゃないですか?」

南「まぁ好きではじめた研究ですから。大変とか言っていられませんよ(笑)」

南「俺なんかが回路の研究をやれているのは周りの先生方や仲間のサポートがあるからなんですよ。だから誰よりも早く動き出さないと」

そう言って足早に測定室へと向かう南さんを朝日が照らし、彼の黒く焼けた日焼けを一層際立たせていた。




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測定の準備をする南さん

測定室に入ってすぐに南は怒り出した。

南「あ、コネクタが出しっぱなし!あ、ケーブルが出しっぱなし!」

どうやら測定室を使っていた人が片づけを忘れていたそうだ。

Q「そういうとこ、外見と違って几帳面なんですね。」

南「偉大な先輩の教えを受け継いでいます。いざ自分が使うときに足りなかったら困るでしょ?しかし、まだまだ片付けの風潮は広まりませんね。測定室管理係として、来年はもっと厳しくやらなくては。」

ブツブツ言いながらも、慣れた手つきで素早く装置の組み立てや設定などの準備を終えると南さんは研究室に戻って行った。




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先生のイスのチェックをする南さん

8時30分、研究室へと戻ると、岡田先生のイスに座る南さんの姿を発見した。

Q「どうして岡田先生のイスに座っているのですか?」

南「あぁ、これ?先生が研究室に来て椅子に座った時にいつもと感触がおかしいとダメじゃない。そういうところ繊細だから、うちの先生。」

上司への気遣いも忘れない南さんである。




岡田先生と研究を通じて二年の付き合いがある南さんはよく一緒にお酒を飲みに出かけたりするようで、岡田先生に関する面白い逸話をいくつか知っているそうだ。

南「そういえば、噂なんだけど、岡田先生の机の中には、大学時代の・・・おっと誰か来たようだ。この話はまた今度ね。」

なにやら上司の秘密も知っているようであるが、この何でも知っている風通しの良さが回路職人を生む秘訣なのかもしれない。




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測定をする南さん

10時、研究室のメンバーが集まってくると挨拶をして、測定室へと向かう。

南「測定の仕方一つで結果が全然変わってくる。正しい測定をしてあげて、回路一つ一つの性能をきちんと引き出して評価してあげること。それが僕の大事な仕事の一つです。」

測定一つとっても奥が深く、難しいものだと南さんは言う。

南「うちの研究室では設計も測定も自分たちでやれるところが特徴としてありますね。どちらも難しいし大変だけど、自分たちで作りあげた回路が良い性能を出した時ってのいうのが一番うれしいね。達成感っていうのかな、すごく気持ちいいよね。そして、その成果で学会発表ができたときも、この研究をやっていてよかったなと思いますよ。」




測定も一段落し、昼食のお弁当(だいたい学校の近くの弁当屋さんや洋食屋さんで購入して食べているらしい)を食べた南さんは自分のデスクのPCの電源を入れてパワーポイントを起動してスライドを作り始めた。その中身は英語で作られている。

南「今度、国際学会で発表があるんですよ。そのために英語で資料を作っています。」

Q「英語は必要ですか」

南「まぁあったら困らないけど、無くてもなんとかなるもんですよ。うちの研究室では留学生も多いから、英語を使う機会は多いですけどね。あと、年に2回研究室内で自分の研究を発表するゼミがあるんだけど、発表は日本語ですが、スライドは英語で作ります。あとは論文も英語のものを読むので、自然と英語が身に付くと思いますよ。」

しかし、実際には来年度のM2は英語苦手な人が多いのである。まぁ自分の努力次第といったところであろうか。




午前の測定で得られたデータを使ったり、岡田先生や先輩たちと相談してスライドを作成し終えると、時刻は夕方になっていた。

日も沈もうかという頃、南さんは急に立ち上がり、出かける準備をしだした。

Q「どこに行くんですか?」

南「これから仲間と夕飯に行きます。今日は二郎に行く日ですからね」

南さんによれば、二郎も回路の研究も似ているそうだ。

「二郎の一杯も私達の回路も、じっくりと丁寧に作り上げた作品といった点では同じですよ。手間ひまかけてじっくり作ったものはやっぱりいいものなんです。妥協はいけませんよね。」

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二郎はラーメンではない

二郎は南さんの生活の活力にもなっているそうだ。

南「二郎を食べれば、悩みなんか吹っ飛びますね、あの豪快さがたまりません。」

しかし、悩みがないと言った南さんにも実は一つだけ悩みがあるそうだ。

南「なかなか研究室内にジロリアンが増えないことですね・・・あんなにうまいのに・・・ぜひジロリアンな後輩が入ってきてほしいね!」

果たして彼の悩みを解消する救世主は現れるのか・・・それはまだ分からないが、彼は今日も二郎へ行き、研究を頑張るのである。




学生一口メモ
南 亮
2010年から松澤・岡田研究室所属。RFグループを担当し、無線の送受信機などを担当する。
三度の飯より二郎好き。タイで現地の人と間違われてしまったり、暗闇に姿を隠すのが得意だったりといった周りの空気に合わせるのが上手いが、二郎の良さだけは皆と分かり合えない。ジロリアンみなみ。